寿音ブログ

JUNON Blog
エステティック オーナー日記

エステサロンのトラブルについて。約30年エステサロンを経営して思うこと

失敗して泣いている女性のイメージ
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エステサロンはトラブルと無縁ではいられない

30年近くサロン経営をしていると本当にいろいろな事態に遭遇します。

大切なお肌を扱うわけですから、お客様の肌に万一のことがあってはならないのは当然です。エステティシャンは、そのために日々ベストを尽くしています。

しかし一方で、サロン側もお客様も人間であり、認識の食い違い、感情のズレ、といったことに起因するトラブルも存在します。

当サロンの表看板
女性のためのはり・灸 寿音

食品アレルギーが原因のトラブル事例

例えば、あるお客様から「フェイシャルで化粧品が合わなくて、顔が腫れた」という訴えがありました。

しかし、その過程で皮膚科を受診して頂いたところ、検査の結果、フェイシャルが原因ではなく、召し上がった食品が原因であると判明しました。

このことにより、当サロンの責任ではない、という結論となりました。

お客様の腫れてしまったお顔は大変気がかりではありますが、サロンとしても、実施した施術に問題があったのかどうか、大変気をもんでおりましたので、正直なところ「ホッと胸を撫でおろした」ということもありました。

当サロンのフェイシャル施術
当サロンのフェイシャル施術

理不尽なクレームも実際にあります

一方で、これは理不尽、というクレームもありました。

あるお客さまから、「スタッフに自分の仕事に関することを聞かれ癒されなかった!」と某サイトを通してクレームが送られてきました。そして、施術代金を返却せよと迫られたことがあります。

ここではこれ以上書きませんが、それ以外にも、本当に様々な理不尽なクレームも多々ありました。

電話でクレーム対応をする女性のイメージ

スタッフが安心して働けるため、顧問弁護士をつけたことも

何か問題が起こったときに、弁護士さんに動いてもらおうと思ってもすぐには無理ですので、 ある時期は、顧問弁護士にお願いしていたこともあります。

当時年間60万円の顧問料は、零細サロンにはかなりの出費でした。しかし、スタッフが安心して働けることには代えられないものがありました。

スタッフが誤って、お客様の高価な洋服にお茶をかけてしまったり。ドアにお客様の指を挟んでしまったり。

スタッフ数が多ければ多いほど、いつ何時、不測の事故が起こり、問題となってしまう可能性が捨てきれないのです。

失敗して泣いてしまった女性のイメージ

施術のクレームはエステティシャンのプロ意識である程度なくせる

クレームの中には、エステの施術・エステティシャンに向けられるクレームもあります。

これは、施術そのものに関するものである以上、ある程度エステティシャンの心がけで是正できるものだと感じています。

「エステティシャンは手が命」

例えばこんなクレームです。

  • 「エステティシャンの手が冷たい」
  • 「手が荒れている」

当サロンの場合は、さすがに手荒れのスタッフは皆無でした。

しかし、手が冷たいという事例は、その担当者が辞めてからお客様にお聞きした事があります。それ以降は、面接の際に手を触らせてもらうことにしました。

女性の手のイメージ

はっきり言わせていただきますと、お客様の肌に触れる仕事(エステティシャンばかりだけではなく鍼灸の治療師も)にとって、手が冷たいことは致命傷と言っても過言ではありません。

私自身、疲れて治療院にかかったとき、冷たい手の鍼灸師さんに出会うとがっかりすることがあります。特に最近は手が温かい方が少なくなった様に感じています。

施術する者は、もっとプロ意識をもってほしいと思います。少なくとも、それなりの代価をお客様から頂戴しているからには、当たり前のことだと思うのですが……

「芸能人は歯が命!」というCMがありましたが、「エステティシャンは手が命!」なのです!施術者の方で、自分が冷え症だと自覚のある方は、ぜひそれを克服してほしいと思います。

トラブルには、誠心誠意事態に立ち向かいお客様に寄り添うこと

トラブルが起これば、どのようなトラブルであれ、サロンが責任を負うことになります。

特定のスタッフが関わった場合は、責任を取る形で退職してしまうこともあります。

残念ながら、「ドクターX」の大門先生ではない限り、気を付けていても「失敗」してしまうこともあります。

問題はそこからです。どんなトラブルであれ結局は、誠心誠意に事態に立ち向かい、お客様の心情に寄りうことしか問題解決の策はないでしょう。

お客さまにも、こちらの一生懸命さが伝われば、心も少しは和らいでもらえるのはないかと思います。

当サロンのカウンセリングのようす
当サロンのカウンセリングのようす

トラブルを正しく解決できれば、最も信頼いただけるお客様となりうる

もう15年も前になるでしょうか、スタッフのミスで、あるトラブルに見舞われたお客様がいらっしゃいました。

当サロンとしても誠心誠意対応させていただき、トラブルは解決をみました。

そしてその後、なんとそのお客様が、当サロンでブライダルのコースを組んで下さったのです。

トラブルの対処は本当に悩み、苦しみましたが、その中から大きな喜びをいただいたのでした。その時の自分の判断は間違っていなかった、と実感した瞬間でした。

握手のイメージ

積み重ねた信頼も、失うときは一瞬である

お客様の集客数が多いほど、トラブルも比例して増加するように感じます。

現在は、私だけの一人サロンですので、1日の施術人数も限られています。ですから、気持ち的には少しだけ楽です。

しかし、何十年のキャリアがあろうとも、ある種の緊張感は絶対に必要です。

言いつくされた言葉ではありますが、「どんなに長い間、積み重ねた信頼も失うときは一瞬である。」

重い言葉でありますが、しっかりと心に刻み込みたいと思います。


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